ウッドショックと私

今、建設業界はウッドショックという未曽有の大激震の中にあります。
材木の値段が3倍、4倍、5倍と天井知らずに上昇して、工事価格の変更や中断、建設会社の倒産も増えています。
原因はコロナ禍による郊外への住み替えで、アメリカや中国の需要が爆発的に増えてしまった事といわれています。
でも、それで本当にこんなに木材が値上がりするのでしょうか。
日本の山には木が沢山あって、山は木を切ってもお金を欲しがらない筈です。
価格が上昇しているのは、投機マネーゲームの先物取引チャートではないでしょうか。何倍にもなった利益を一体誰が得ているのか、考えてみれば簡単な事です。
本来、木材は地域のの生産者から適切な価格で買い、適切な価格でお客様へ届け、そしてまた植林するという、地域の持続可能なサイクルによって、消費と再生をくり返すべきでした。
多くの企業が永遠に右上がりな売上グラフを追い続け、安ければ海外でもどこからでも買い付けてきた代償を払う時が来ただけです。
身近に例えるならば、「安くて便利だから」と、アマゾンや楽天で何でも購入していたら、地元の小売店が消え、最後にはアマゾンや楽天の言い値で買わされる羽目になった。という事です。
私の会社は創業以降、地域の持続可能な木材サイクルを考えて購入と建築を続けてきました。おかげさまでこんなピンチの時でも味方になってくれる生産者の方がたくさんあり、皆で協力し合ってなんとか難を逃れています。
ウッドショック、コロナ禍、先物取引、海外の経済事情、政治の善悪、
これらの要因が私の建築に影響を及ぼすことは出来ない筈です。
昨日、上棟式を無事終えた住宅も、今のところ一切の値上げをしていません。
大切に育てられた材料を大切に使う。あたりまえの事。
ウッドショックが木材業界の良い転機になる事を祈っています。
コメントを残す